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2019.05.14

学習科学の基礎:ワーキングメモリ(作業記憶)に負荷をかけすぎない

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人間の意識的思考はワーキングメモリで行われますが、その容量や情報の保持時間が限られていることが思考のボトルネックとなっています(この記事を参照)。今日は、学習の場面でこのワーキングメモリへの負荷を避けることについての記事を紹介します。

 

人間の脳が一度に処理できる情報の量には限りがあります。

しかし、通常のトレーニングはコンテンツの量が多すぎる傾向にあるので、学習者は、どの情報が重要なのかを識別できなかったり、情報の多さに圧倒されてしまいます(つまりワーキングメモリに過度の負荷がかかる)。その結果、期待される学習効果をもたらすことができません。

トレーニングを作るときには、ついすべてのトピックを網羅しようとしてしまいがちです。しかしそれでは、重要なポイントが薄れてしまう上、学習者のワーキングメモリに過度の負荷がかかってしまいます。だから、トレーニングの効果をあげるには、本当に学ぶ必要のあることに絞り込む必要があります。

最も重要というわけではない情報に関しては、必要に応じて参照できるようにします。これには、パフォーマンスサポートを用意したり、ソーシャルネットワークで質問できるようにしておきます。

一方、飛行機の操縦を行うなどの場合は、必要に応じて参照したり、誰かに尋ねている余裕はありません。このように危険を伴うスキルの場合は、意識的に考えなくてもできる(自動化する)までトレーニングする必要があります

ポイント:即座に思い出す必要がなかったり、調べる時間があるようなタスクを学習する場合には、思い出せるようになるための練習を行う必要は、必ずしもありません。

 

この「学習科学の基礎(Science of Learning 101)」シリーズは、世界的に活躍しているラーニング&パフォーマンスコンサルタントであるPatti ShankさんがATDブログに寄稿したものです。Patti Shankさんは、学習の科学を積極的に紹介しており、このトピックについて多数の記事や書籍を発表しています。

元の記事:

https://www.td.org/insights/science-of-learning-101-the-case-for-lessgenerally

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