ATD Japan Summit

2019.09.12

感情に配慮した職場の学習

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人間の合理的思考は、感情なしにはうまく機能しません(以前の記事を参照)。今日は、職場において従業員の感情に配慮する必要性についての記事を紹介します。(これはATD 2019 Japan Summitで講演するClark Quinn氏による記事です)。

 

人はほとんどの時間、Kahnemann が『Thinking Fast and Slow』の中でシステム1と呼んでいる思考、つまり速く直感的な思考に従っています。一方、意識的、論理的思考システム2と呼ばれていますが、これを使うには意識的努力が必要です。

Donald Normanは、『Emotional Design』の中で、デザインプロセスでは感情と美意識が重要だと言っています。これは、組織におけるエンゲージメントについても言えることであり、職場では、従業員の感情に配慮する必要があります。

 

学習するときに、モチベーションが欠けていたり、不安があったりすれば、よく学ぶことはできないので、学習時の感情を考慮することが重要です。しかし学習デザインでは、派手な画像やゲームを用意するなど、感情に関する表面的な部分のみに注力している場合が多くみられます。表面的な感情を引きつけようとするのではなく、その学習が「なぜ」必要なのかを学習者が理解できるようにすることにより、学習者が自分の興味や利益に基づいて積極的に学習できるような学習体験を作る必要があります。

人間には、速く直感的な思考(システム1)と、意識的・論理的思考(システム2)があり、適切な判断をするには、この2つのシステムの違いを意識する必要があります。たとえば、すでに何かに熟練しており、システム1に従ってすばやく確実に判断できるのであれば、直感に従うことができます。一方、新たなことや不確かなことに対処する場合には、システム2を使って深く考える必要があります。

これには、自己認識や感情のマネジメントが必要とされます。感情はしばしば、EQ、EI(エモーショナルインテリジェンス)として説明されます。しかしEQ、EIという考え方は、それがIQのように固定的で変えることのできない能力ということを意味する点で問題があります。トレーニングによって自分の感情を意識し、それをモニタリングしたり、発達させることは可能です。

 

元の記事:

https://learningsolutionsmag.com/articles/quinnsights-emotional-ld?utm_campaign=lspub&utm_medium=link&utm_source=lspub

関連記事:

感情に訴えかける学習(アフェクティブラーニング)とAI(合理的思考にも感情が必要)

すべての学習には感情が伴う

感情と学習:その1

感情と学習:その2

感情と学習:その3(感情を考慮した学習デザインのための10の方法)

感情とは?に関する一連の記事

Clark Quinn氏による他の記事:

http://www.ipii.co.jp/archives/tag_blog/clark-quinn/

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