ATD Japan Summit

2020.05.08

行動変容では意志力に期待しない

Written by

行動変容の専門家であり、世界中のカンファレンスやオンラインイベントで活躍しているラーニングストラテジーコンサルタントであるJulie Dirksen氏によれば、行動変容に関する最近の大きな発展の一つは、「行動を変えるには意志力を使う」という考え方をしなくなったことです。行動変容を無理やり行っても、疲れて過負荷となり、途中で挫折してしまいます。

過去20年間に、行動経済学、ナッジ理論といった行動経済学の分野や、運動、健康、栄養、禁煙といった分野において、真に行動変容の効果を上げるには、意志力に頼るだけでは十分ではなく、他の方法を使ってサポートする必要があることが明らかになっています。

 

ナッジ理論

これは、Richard Thaler とCass Sunstein の著書『Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness』で語られている理論です。ナッジとは、行動経済学の成果に基づいて、有益な行動をとる可能性を促すための方法であり、行動変容にも適用されています。

 

COM-Bモデルは行動変容に適したモデル

インストラクションデザインで使われるADDIEモデルは、行動変容を対象としていません。行動変容を対象としたもっとよいモデルに、University College Londonで開発されたCOM-B (Capability-Opportunity-Motivation-Behavior)モデルがあります。

このモデルでは、結果ではなく実際の行動を定義します。たとえば、「体重を減らす」ではなく、「毎日20分歩く」などとし、その行動が生じるには何が必要かを分析します。

 

  • 能力(Capability):特定の行動を行う身体的心的能力(推論、分析などの認知スキル)のこと。
  • 機会(Opportunity):特定の行動を可能にする要因(たとえば運転中にはテキストメッセージを送ることができない)。物理的環境だけでなく、行動を促進/抑制する社会的・文化的要因も含まれる。
  • モチベーション(Motivation):これには、感情や必要性といった内発的要因、行動を促す外初的モチベーターが含まれる。

 

つまりCOM-Bは、6つのこと(上記の2種類の能力、2種類の機会、2種類のモチベーション)から成るフレームワークです。これに従って行動を分析し、ソリューションをみつけます。また、行動変容に関する研究に基づき、多数の異なる介入の分類法も用意されています。

 

元の記事:

https://learningsolutionsmag.com/articles/why-telling-people-to-try-harder-doesn-t-change-behavior

 

関連記事:

行動変容に関する他の記事

※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。