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2019.06.05

コラボレーション学習が役立たない場合とは?

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一般に、コラボレーションによる学習(小グループで相互に学び合う方法)は、効果的なアプローチだと考えられています。今日紹介する記事では、必ずしもそうではない理由が解説されています。

 

コラボレーション学習の効果を考えるには、それが認知負荷に与える影響を考慮する必要があります。認知負荷とは、特定の学習タスクを行うのに必要とされる認知リソース(作業記憶、ワーキングメモリなどと呼ばれ脳の意識的思考にかかわる部分)にかかる負担のことです(詳細は、この記事を参照)。

余計な認知負荷を減らせば、学習のために使える認知リソースの量が増えます。

 

コラボレーションによって減る認知負荷

困難なタスクなど、学習タスクによる認知負荷が高い場合、コラボレーションを行うことによって複数のメンバーにその負荷が分散され、ひとり当たりの認知負荷が小さくなるので、それによって学習が促進されます。

 

コラボレーションによって高まる認知負荷

グループで学習する場合、情報の伝達や準備などでメンバー同士のやり取りが必要になり、それに伴う認知負荷が高まります。だからコラボレーション学習が効果を生むには、コラボレーションによる認知負荷の減少量が、コラボレーションに伴う認知負荷の量を上回る必要があります。

簡単なタスクの場合は、そもそもタスクによる認知負荷が少ないので、コラボレーションを行うと、コラボレーションに伴う認知負荷によって、一人で学習した場合よりも多くの認知負荷がかかり、学習が妨げられることになります。

 

結論

研究によると、コラボレーション学習は、ひとりで取り組むには手に余るような複雑で困難なタスクの場合に効果があります。

 

元の記事:

http://theelearningcoach.com/learning/cognitive-load-of-collaborative-learning/

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