IPIニュースレター購読お申込み

2019.08.23

テクノロジーを使った学習の効果に関するメタ分析レビュー

Written by

eラーニングは退屈で効果がないというイメージがあります。しかし、Will Thalheimer氏の調査によれば、必ずしもそうではありません(この調査は、eラーニングに関する多数の科学的研究のメタ分析に基づいているそうです)。

 

この調査で得られた結論

学習効果という観点からすると、学習効果の違いをもたらすのは、eラーニングか教室型インストラクションかという違いではなく、学習方法(実際に即した練習、時間をおいた繰り返し、実世界に即したコンテキスト、フィードバック)の違いです。つまり、eラーニングと教室型インストラクションで使われる学習方法が同じであれば、いずれの方法も同じ結果となります。

また、ブレンド型学習(eラーニングと教室型の両方を使用)は、教室型学習のみによる方法よりも、大幅に結果が良好となる傾向にあります。これは、ブレンド型学習で使われるeラーニングの多くが、効果的な学習方法を使っているためであると考えられます。

つまり、eラーニング/教室どちらがいいかということではなく、実際に即した練習、時間をおいた繰り返し、実世界に即したコンテキスト、フィードバックといった、科学的研究で効果的であることがわかっている学習方法を使えば、良好な学習結果が得られるということです。

研究によれば、ロールプレイやディスカッションなど、従来は教室で行うことが適していると考えられていた方法であっても、オンラインで適切に行えることが示されています。逆に、eラーニングで通常使われるインタラクティブな学習方法であっても、教室型インストラクションで適切に活用することができます。

学習スタイルのような効果的でない方法は、避ける必要があります(http://www.debunker.club/を参照)。

神経科学や脳科学は、学習分野の悪徳ベンダーによる誇大宣伝のことが多く、今のところ行動科学の研究から得られた知見を補強することができるのみなので、このような一時的流行も避けるべきです。

 

元の記事:

https://www.worklearning.com/wp-content/uploads/2017/10/Does-eLearning-Work-Full-Research-Report-FINAL2.pdf

 

 

※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。