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2021.04.14

基本的なインストラクションデザイン:その1(パフォーマンス分析)

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今日は、行動科学の専門家であるBarbara Bucklin氏が、インストラクションデザインを知らない人向けに、インストラクションデザインに基づく教材開発の概要を書いた記事を紹介します。長いので2回に分けます。

Barbara Bucklin氏は、組織行動マネジメント(OBM)の専門家であり、国際行動分析学会の分科会であるOBM NetworkのPresidentを務めたこともある人です。

 

 

パフォーマンス分析の必要性

何らかのインストラクションを提供しようとする場合、そのデザインを考える前に、そのインストラクションによって解決しようとする問題が、本当にインストラクションで解決できるのかどうかを判断する必要があります。インストラクション(トレーニング)が解決策ではないときに、トレーニングを提供してはなりません。そして多くの場合、トレーニングが答えではありません。

データによれば、よいインストラクション教材をデザインするには、インストラクション1時間あたり100時間もかかり(Defelice, 2018)、その複雑さや提供方法によっては、もっと多くの時間が必要です。だから必要のないインストラクションを用意することは、時間と費用の無駄になります。

トレーニングが必要かどうかの判断方法

パフォーマンスに問題がある場合、つまり必要な行動がとられていないという問題がある場合、本当にその行動ができないのか、あるいは、その行動を行いたくないのか、を判断する必要があります。その行動が「本当にできない」できないのであれば、トレーニングがソリューションとなります。これには、以下のような点を確認します。

  • 明確な期待が設定されているか?
  • フィードバックが与えられているか?
  • 与える結果が期待やフィードバックと適合しているか?
  • 望ましくない行動を促してしまうような結果が与えられていないか?
  • ツール、機器、リソースなどがあるか?

 

大抵の場合、パフォーマンス分析を行うと、「できない」と「やりたくない」両方の領域でギャップがみつかります。このような場合は、「できない」部分についてトレーニングを行い、そこで学んだ行動が職場で奨励されるようなソリューションをデザインし、実施することによって「やりたくない」に対処することが重要です。

 

 

 

元の記事:

https://bsci21.org/tips-for-training-your-staff-basic-instructional-design/

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