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2019.05.13

学習でテストを使うことの効果

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一般に、テストというと、成績を決めるなど、学習効果を測定するための手段であると考えられがちです。しかしテストは、学習効果を高めるための非常に有効な手段です。今日は、この効果的な学習方法のひとつであるテストについての記事を紹介します。

 

ある研究によると、オンラインでの講義に小テストを加えたところ、受講者の集中力が高まったり、ノートをとる量が増えたり、学習内容の記憶が強化されたりという効果がみられたそうです。これは、テストされるという意識があると、講義をより注意深く聞くようになるためであると考えられています。また、テストをされることに抵抗がなくなれば、さらに効果があるようです。eラーニングなど、オンラインで行われる学習に必ずといっていいほどテストが付いていることには理由があるのです。

この研究の結論:

「今回の結果は、テストが学習を促進するという認知メカニズムを際立たせるものである。 テストを行うと、タスクに関係ない活動(ぼんやりする)よりも、タスクに関連する活動(ノートをとる)が促進され、講義内容への注意を持続させることができるので、結果として学習が増進される。 重要なのは、テストによる学習効果が、テストに対する懸念が減ること(テストの形式に慣れたり、前のテストの結果がよかったりしたことなどによる)、およびテストの認知負荷を主観的に予測することにより得られるということである」

 

 

テストというと、成績を判定されるという懸念から、普段の実力を出せなくなる人も多いと思います。また、テストがあるときだけ一夜漬けで勉強し、後ですっかり忘れてしまうというのもよくあることです。しかし、テストは成績のためではなく、学習を促進するための手段であるということを学習者が納得し、学習のためにテストを活用したいという気持ちになれば、さらにテストを効果的に使えるようになるでしょう。

上記の研究について書かれている記事:

https://www.td.org/insights/study-reveals-that-adding-frequent-tests-to-online-learning-improves-retention

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