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2019.10.15

学習にアニメーションを効果的に使う方法

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動画は人を引きつけます。しかし研究によると、動画は必ずしも学習効果を高めません。今日はこの点について解説した記事を紹介します。

 

学習にアニメーションを使う理由

教育心理学者のRichard Lowe (2004)によると、教育にアニメーションを使う目的は主に2つあります。

 

  • 情意的目的

人は動いているものに注目する性質があるので、アニメーションは、注意を引きつけます。アニメーションは、そのめずらしさゆえに、モチベーションを高める場合もあります。面白くできていれば、プラスの効果があります。

  • 認知的目的

アニメーションは、動的なプロセスを説明する、裸眼では見えないことを視覚化する、抽象的概念を具体化するなど、静止画よりも多くの情報を伝えることができるので、適切に使えば学習を促進することができます。

 

アニメーションの問題点

  • 学んだという思い込み

人は静止画よりアニメーションを好みます。実際には学習できていなくても、アニメーションを見ることで満足し、学習したという思い込みに陥る可能性があります。

  • 作業記憶に過度の負荷がかかる

動きのある画像は静止画よりも情報量が多いので、作業記憶に過度の負荷がかかる可能性があります。

  • 学習者の理解よりも速いペースで進んでしまう

アニメーションが自動的に進んでしまうと、学習者の理解が追いついかない可能性があります。アニメーションを効果的に使うには、学習者が自分でペースをコントロールし、内容を記憶する余裕を持つことができるようにします。

  • 注意の分断

テキストを読みつつアニメーションを見るようになっていると、注意が分断され学習が妨げられます。このような場合は、テキストではなく音声をかぶせます。

  • 注目するポイントがわからない

アニメーションにはさまざまな情報があるので、どの部分に注目すればいいか学習者がわからない場合があります。このような場合は、重要な部分を示す印を使います。

元の記事:

https://www.td.org/insights/how-to-use-animations-for-learning

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