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2019.07.05

学習工学(Learning Engineering)とは

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以前の記事『学習工学(Learning Engineering):学習科学とテクノロジーの融合』でも紹介したように、学習工学とは、学習科学に基づいてラーニングテクノロジーを活用していくための新たな学術分野です。IEEEでは、学習工学の発展のためにICICLEというコンソーシアムを立ち上げています。

今日は、このICICLEに実際に参加しているラーニングテクノロジーの専門家による記事を紹介します。

 

「学習工学(learning engineering)」という言葉は、技術的コンピテンシーを学習に適用する必要性を感じたHerb Simon(ノーベル賞の受賞者であり、カーネギーメロン大学教授のAIのエキスパート)によって50年以上前に作られたものです。

 

その後発達したテクノロジーは学習の分野にも取り入れられるようになりましたが、この新たなラーニングテクノロジーを使って学習をデザイン・構築するエンジニアの職業開発を支援する仕組みはほとんど存在していません。このようなエンジニアには、工学・システム思考と、学習科学・人材開発の理論を統合するような独自のスキルセットが必要とされます。

 

ICICLE

ラーニングエンジニアとしての職業能力の開発と、学術分野としての学習工学の発達を支援する必要性が認識されたため、IEEEでは、2017年12月にICICLE (Industry Connections Industry Consortium on Learning Engineering)という新たなプログラムの作成を承認しました。 このICICLEは、学習工学という新興の分野を定義・サポートし、学習工学に関する職業と学問分野の両方の発展を支援するための組織です。

 

ICICLEには現在、学習工学をサポートしそれを開発するという共通の目的の下に、一般企業、大学、政府機関などの50以上の組織が参加しています。

 

工学と学習科学という分野に加え、ICICLEは、学習エンジニアが以下を理解することを推奨しています。

  • 現在および歴史的な製品トレンド、およびラーニングテクノロジーのさまざまな実装方法の強みと弱み
  • 学習データとプライバシーに関する標準と規制
  • テクニカルプロジェクトマネジメントおよびラーニングテクノロジーとラーニングエコシステムのデザインにおけるベストプラクティス
  • ラーニングテクノロジーのデザイン、開発、導入とその成果に影響する成功/失敗要因

 

元の記事:

https://elearnmag.acm.org/opinion.cfm?aid=3242101

 

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IEEE ICICLE:

https://www.ieeeicicle.org/

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