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2019.07.12

学習科学の基礎:認知負荷のタイプ

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私たちの意識的思考が行われるのはワーキングメモリ(作業記憶)です(これまでの記事「認知負荷とは」、「ワーキングメモリに負荷をかけすぎない」を参照)。学習もこのワーキングメモリを通じて行われ、それにかかる負荷(認知負荷)によって、学習が促進されたり、妨げられたりします。今日は、この認知負荷のタイプについて書かれた記事を紹介します。

 

認知負荷については、多くの研究がなされています。認知負荷は、ワーキングメモリ(意識的な認知活動を行う短期的な記憶)の制約が学習に与える影響について、多くのことを教えてくれます。

研究によると、人間がワーキングメモリに短期的に保持できる情報の量は限られており、ワーキングメモリが過負荷になると思考や学習が妨げられます。だから、このような負荷のタイプを知り、適切にコントロールすることが必要とされます。

 

3つのタイプの認知負荷

認知負荷には、内在的(intrinsic)認知負荷、余計な(extraneous)認知負荷、適切な(germane)認知負荷の3つのタイプがあります。

 

  • 内在的(intrinsic)認知負荷

これは、学習内容自体の難しさに由来する負荷のことです。何かを学ぶ場合、その内容自体を変えることはできませんが、下記のように、適切な認知負荷となるよう調整することができます。

  • 適切な(germane)認知負荷

これは、学習に役立つような方法で人が情報を処理するときに生じる負荷のことです。これには、適切な例を使ったり、コンテンツをチャンク化(短い単位に区切る)したり、必要に応じて情報を参照できるようにするなどして、一度にワーキングメモリにかかる認知負荷を減らします。

  • 余計な(extraneous)認知負荷

学習内容と直接関係のない要素は余計な認知負荷と呼ばれ、学習の妨げとなります。たとえば、画面に表示されているテキストと全く同じ内容のナレーションは、余計な認知負荷となります。このような場合は、画面に表示される言葉を簡潔にするなどの方法をとります。

 

元の記事:

https://www.td.org/insights/science-of-learning-101-reducing-the-wrong-types-of-mental-effort-in-instruction

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