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2019.05.29

望ましい困難(desirable difficulties)

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学習は、あまり簡単すぎても効果がなく、かといって難しすぎても脳に負担がかかりすぎてうまく学ぶことができません(認知負荷についてはこの記事を参照)。適度な負荷が必要です。

今日は、以前にも紹介した科学的根拠に基づく学習方法を普及させるためのサイト「The Learning Scientist」の運営者のひとりであるYana Weinsteinさんが、この学習に必要とされる適度な負荷について解説した記事を紹介します。

 

 

効果的に学習するには、ある程度の努力が欠かせません。学習や記憶に関する著名な研究者であるRobert Bjorkは、このことを「望ましい困難(desirable difficulties)」と表現しました。

 

単なる読み返しはあまり効果がない

一般的には、単にテキストやノートを読み返すといった簡単な学習方法が好まれます。テキストを繰り返し読むと、次第に読むことが簡単になり、学習できたと感じるようになります。

しかし、この方法では深い理解は促されません。学んだことを自分で自分に説明したり、練習問題を行うといった、脳に適度な負担がかかる(望ましい困難を伴う)方法のほうが効果的です。

 

異なるトピックを交互に学ぶ

ひとつのトピック(たとえば平方根)について長時間かけて練習するよりも、関連するトピック(たとえば3乗)を混ぜて練習した方が、効果的です。トピックを交互に練習する方法は、学習者にとっては困難に感じられますが、その後にテストをしてみると、トピックを混ぜて学習した方が、学習効果が高いことがわかります。

 

 

元の記事:

https://www.tes.com/news/if-learning-feels-easy-you-might-be-doing-it-wrong

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