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2020.05.15

社会心理学者のチャルディーニ氏が推奨する新型コロナ感染拡大防止策とは? その1

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今日は、『影響力の武器』などの著作で知られる社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏が推奨する新型コロナ感染拡大防止策を紹介します。

 

新型コロナウイルスの拡大を差し迫って抑えるには、外出禁止令に従う、適切なソーシャルディスタンスをとる、マスクを着用するといった、人々の行動変容が求められます。

 

このような場合にしてはいけないこと

公園やスーパーに人が殺到するといった行動が望ましくないことを強調しすぎると、人はかえってその行動をとってしまう場合があります。そうではなく、それとは反対の望ましい行動の方を強調するようにします。

たとえば、アリゾナにある国立公園では、そこにある貴重な化石が盗まれることに困っており、その被害が年間14トンにも及んでいることを訴える看板を作って注意を促しました。しかし、全く効果がありません。そこでチャルディーニ氏らは、この看板の内容を変える実験をしました。

この看板を「多くの人が公園の化石を盗んでいる」という内容に変えたところ、化石を盗む人の割合が2.95パーセントから7.92パーセントに増加しました。

一方、「この公園では化石を盗む人はあまりいない」という内容にしたところ、盗む人の割合が1.67パーセントに減少しました。

 

日本では、休業要請に従わないパチンコ店に人が殺到している様子がテレビで放映されていましたが、これはまさに、望ましくない行動をとっている様子を見せることが、かえってその行動を助長している場合の例ではないかと思います。

 

元の記事:

https://www.influenceatwork.com/inside-influence-report/advice-for-reducing-undesirable-covid-19-behaviors/

 

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