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2019.05.30

認知負荷(cognitive load)を考慮して学習効果を高めるには

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何かを学ぼうとするとき脳にかかる負担が大きすぎれば(認知負荷が大きすぎれば)、人はうまく学ぶことができません。

今日は、John Swellerの認知負荷理論(John Sweller氏については以前の記事を参照)を考慮して学習効果を高める方法についての記事を紹介します。

 

John Swellerが認知負荷理論を通じて言いたかったのは、インストラクションをデザインするときには、コンテンツを小さい単位(チャンク)にブレイクダウンし、脳の短期記憶の内容が長期記憶に移動できるようにし学んだことを適用できるようにする必要があるということです。

この概念は広く適用されています。たとえば、航空宇宙企業では、航空機の制御パネルをデザインするときに認知負荷を考慮しています。それは、このような危険を伴う環境では、情報が多すぎるとパイロットの脳がそれを処理しきれなくなり、致命的な誤りを犯す可能性があるからです。マーケティングの世界でも、広告やソーシャルメディアにどの程度の情報を記載するかを考えるときに、認知負荷を考慮しています。

 

認知負荷には、以下の3つのタイプがあります。

1) 学習内容自体に伴う負荷(たとえば複雑な学習であれば負荷が高い)

2) 学習に関係ない余計な負荷

3) 学習に役立つ適切な負荷

学習効果を高めるには、3) 学習に役立つ適切な負荷、を与える工夫をし、余計な負荷、過度の負荷を与えないように注意します。

たとえば以下のようにします。

  • 学習に使用するグラフや図が、単なる飾りとならないようにする。
  • テキスト、音声、画像など複数の方法で情報を示す。
  • コンテンツを小さく消化しやすい単位に分割する。
  • 重要でないコンテンツは削除するか、付録に移動する。
  • 画面に表示されるテキスト通りにナレーションを読み上げない。
  • 注意の分断を避ける(たとえば、イラストとそれを説明するテキストの対応がわかりづらいと注意が分断されます)。
  • 振り返りの時間を十分に与え、学んだことを脳が処理できるようにする。

 

 

元の記事:

https://www.td.org/insights/tmi-cognitive-overload-and-learning

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