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2020.07.17

認知負荷理論に基づく学習デザイン(オンライン学習のための10のデザインルール)

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Richard MayerとRuth Clarkは、オンライン学習の効果に関する研究の第一人者です。今日は、彼らの業績の概要に関する記事を紹介します。

 

さまざまなメディアを使っても、必ずしも学習効果はない

オンライン学習でテキスト、画像、音声、アニメーション、ビデオなど多数のメディアを混ぜると、脳に過度の負担がかかり(認知的過負荷)、学習が妨げられる場合があります(認知負荷についてはこの記事を参照)。

できるだけ簡潔にする

さまざまなタイプの教材を使って学習効果を測定した研究によれば、簡潔で一貫性のある教材の方が、学習効果が高いことがわかっています。それは、中心となる概念の説明に余計な言葉を加えると言葉を処理する作業記憶が過負荷となり、注意を払ったり、理解するための認知リソースが不足してしまうからです。画面に表示される箇条書き、文章はできるだけ簡潔にします。

目や耳を楽しませるという目的だけで画像や音声を使わない

学習内容の理解を促進するのではなく、単に見栄えをよくしようという目的で絵や画像を使うと、気が散ったり、脳に余計な負担がかかり学習が妨げられます。BGMや環境音楽などの効果音も、同様の理由で学習を妨げます。

テキストと画像を組み合わせて使う

文章と画像は、それぞれ脳の異なる認知チャネルを使用するので、併用することで学習効果を高めることができます。

テキストと全く内容のナレーションを使わない

テキストと全く同じナレーションがあると、それぞれの対応を同期しようとするため脳に余計な負担がかかり、理解が妨げられます。

シンプルな画像を使う

余計な画像が理解を妨げるだけでなく、色付きの凝った写真や画像など、学習本来の目的には必要とされない冗長性のある画像も脳への負荷となり学習の妨げとなります。シンプルな画像の方が効果的です。

画像とそれを説明するテキストは近接させる

画像とそれを説明するテキストが離れていると、その対応関係を把握するために注意が分断され、学習が妨げられます。画像を説明するキャプションなどは、できるだけその部分の近くに配置します。

会話調にする

eラーニングの説明などでは、学習者が親しみをもてるような会話調の表現を使った方が、学習効果が高いことがわかっています。

 

元の記事:

https://donaldclarkplanb.blogspot.com/search?q=mayer

 

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