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2019.12.19

頭の中にある知識とネット上にある知識の違い

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最近では、ネット上の情報の爆発と検索エンジンの発達によって、「検索すれば何でもすぐに調べられる」からといって、知識を覚えることがないがしろにされがちです。しかし、知識が実際に頭の中に入っていることは、人間が物事を迅速かつ的確に考えるために必要なことです。

 

学習科学の研究者であるDaniel Willingham氏によれば、検索エンジンは情報をみつけることは得意ですが、脳は主に、「コンテキストを理解できる」、「スピード」という2つの点で検索エンジンに勝っています

子供は言葉の使い方をまだ正しく覚えていないので、コンテキストにそぐわない単語を使うことがあります。しかし正しい知識を記憶していれば、脳はコンテキストに言葉を正しく関連付けることができます。コンピューターも同様に、コンテキストを把握することが苦手です。

最近では検索エンジンでもコンテキストが考慮されつつあるようですが、人間の脳がシリコンチップと直接接続されるようになるまでは、スピードという問題が残ります。

頭の中に覚えていることであれば、必要に応じて迅速に使うことができますが、インターネットから情報を得るにはもっと時間がかかります。だから、迅速かつ頻繁に必要とされる情報は、頭の中に覚えておく必要があります

一方、脳は、コンテキスやスピードに関してはインターネットより優れていますが、量に関してはインターネットにかないません。

 

人の脳と検索エンジンそれぞれの得意とするところを意識すれば、検索エンジンを活用して人の記憶を補うことができます。

 

元の記事:

https://www.nytimes.com/2017/05/19/opinion/sunday/you-still-need-your-brain.html

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