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2019.06.19

分散効果を利用した学習(忘却を最小限にする方法)

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試験前の一夜漬けの勉強ではなく、前もって少しずつ繰り返し学習した方がよいことは、誰でも知っているけれど、なかなかできないことだと思います。一夜漬けは確かに効果がありますが、すぐに忘れてしまいます。また、同じ量の内容を覚えるのであれば、一夜漬けよりも、時間をおいて繰り返し学習する方が、トータルの時間が少なくて済むことが、科学的研究でも明らかになっています。

学習内容を定着させ、記憶にとどめるには、繰り返しが必要です。ただし、何かを学んだばかりでまだよく覚えているうちに繰り返しても効果がないそうです。

今日は、この時間をあけて効果的に学習する方法についてATD Science of Learningに掲載されていた記事を紹介します。

 

職場の学習は通常、短期間に集中して行われますが、実際にはそれでは学習効果を保つことができません。

ちょっとした手順であれば、パフォーマンスサポートを用意しておき適宜参照できるようにしておく方法もあります。しかし、複雑な職務の場合、必要とされる情報をあらかじめ習得しておかなければ適切に対応できません。

どの程度の間隔をおいて繰り返せばよいかは、学習内容や学習者によるので、適宜調整する必要があります。

繰り返しといっても、単に全く同じ方法で学習内容を示すのではなく、いくつかの異なる方法を使って同じ内容を示した方が効果的です。たとえば、短期間に行われる研修のフォローアップとして、研修後にも学習内容を繰り返す方法があります。このとき、学習単位を小さくし、短い時間で復習できるようにすれば、仕事への負担を軽減することができます。モバイルデバイスを使って学習できるようにすれば、外出先でも学習できます。

 

この記事によれば、広告の世界では昔から、キーメッセージを繰り返すことの重要性が知られていたそうです。

 

元の記事:

https://www.td.org/insights/spaced-learning-an-approach-to-minimize-the-forgetting-curve

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