コラム

日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役 片岡久氏
第12回 組織が生き続けるためには何が必要か(2)

人財育成に関して先進的な取り組みをしている日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役の片岡久氏にお話を伺いました。(インタビュー2012年8月3日、敬称略)
これはその第12回(最終回)になります。

第12回 組織が生き続けるためには何が必要か(2)

個人主義の先には連帯、コミュニティがある

片岡個人で勝負できる時代でもあります。リードコネクションの中でも個であたる考え方がありました。個が強くなったときに、それを組織としてどう相乗効果をもたせるのか。そこが課題にはなるでしょうね。そういう意味で、北欧の人づくりって面白いです。デンマークやスェーデンの人たちは個人主義です。そうとう強い個人主義を小さいころから植え付けられる。アングロサクソンとの違いは、彼らは個人主義を徹底するけれど、その先には連帯がある点です。ですので、3人集まれば組合ができる。そういう連帯が個人をまた強くするし、社会をよくする力になる。振り返ってみると、イギリスとかアメリカの個人主義は競争にいきます。あるいは差別化にいきます。人と違うことに価値を見出す。

浦山:自分だけ生き残るっていうことですかね?

片岡:そこまでいうとちょっと言い過ぎかもしれませんけども。少なくとも連帯にはいかない。個人をさらに追及して市場特化、市場の価値の違いというところに行く。その違いとは何なのか。もう少し北欧の人たちの考え方、なぜ個人主義の先が連帯なのか、社会がまわるのか。そこは解明したい。というのは、日本は、似ていて、どちらかというとコミュニミティ重視。ところがそこに、アメリカ的な個人主義を取り入れてきたものだから、どうもぎくしゃくしていて、どっちつかずというのでしょうか。日本は根拠のない個人主義みたいになっている。本来持っていたよいところが損なわれて、その個人主義で本当はハードに戦わなくてはいけない時に戦い切れない。中途半端なような気がします。

 個人主義が落ち着く先は何か。それがひょっとして北欧のモデルみたいに感じています。ヒントになるのではないかと思います。

浦山:ありがとうございました。