コラム

日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役 片岡久氏
第5回 教育の中で注力していることは?

人財育成に関して先進的な取り組みをしている日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役の片岡久氏にお話を伺いました。(インタビュー2012年8月3日、敬称略)
これはその第5回になります。

第5回 教育の中で注力していることは?

自分自身の変化をセンスしてレスポンスする

浦山:片山さんはIBM人材育成の責任者として教育をされていますが、今、どういうことに注力されていますか。

片岡IBMのグローバルカンパニーとしての様々な経験、あるいは方向性を出来るだけお客様にお届けしたいというのが基本です。例えば、私どものマネジメント研修。IBMの中でファーストライン、最初のラインマネージャーになる際の研修のひとつに組織を考えるものがあります。その中にレスポンシビリティという言葉があります。日本では責任と言われていますが。

浦山:責任感、はい。

片岡責任感というより、むしろ、レスポンシビリティですから、レスポンス、応答、です。アビリティですから可能性、応答力、応答可能力です。何かがあった時に自分の言葉として自分の判断として応答することが出来ること。オートマティックに。自主的、あるいは自律的にという言葉に繋がっています。レスポンシビリティというと責任が重く、あなたの責任だ、といった意味で使われがちですけれども、後ろ向きではなくて、むしろ非常にポジティブで自主的に自立的な風土を支えるのがレスポンシビリティです。グローバルな社会ではそう解釈することが多いのですが、日本だと少し違ってしまう。

浦山:そうですね。

片岡レスポンシビリティを自主自立として根付かせることができればグローバルな人材づくり、あるいは様々な国の人たちとの交流の中で活かしていけるのではないかと思っています。

浦山:レスポンシビリティという言葉は、言われたことに対する反応と思っていました。責任をもって回答するではなく、いろいろな変化に対してセンスして、レスポンスする、自動的に、自分はこうする、と反応する。

片岡組織のマネジメント層が管理をする形ではなくて、さまざまなタレント、さまざまな能力を持った人たちが自分自身の変化をセンスしてレスポンスする、センスアンドレスポンスです。それが出来るチーム、組織でありたいですね。

浦山:レスポンシビリティーという言葉への認識が今日変わりました。