
片岡:私達はITの企業でありつつ、様々な人材を生み出す企業でありたい。特に最近は、ビジネスのリテラシーとして、ITというのがもっと日本では使われるべきだと思います。例えばよくあるケースで、トップマネジメントの方々にITに関をベースにした変革のご提案をしますと、「いやITのことはIT部門に言ってください」となる。
ところが、今は新しいビジネスモデルを作っていくにあたってITはベースです。そこにある種のセンスをもった経営者が新しいビジネスモデルを作っていく時代だと思います。そのためにはITは特殊なことではなくて一般教養になっている。あるいはビジネスを行う上でのベースの知識、として考えられるべきだと思います。そういった観点で、マネジメント研修とIT研修、それらが融合したような形の研修をお届けしたいと思いますし、それが必要とされる時代だと思います。
浦山:あのIBMさんが実施されている「Global CEO Study 2012」*1のことですね。世界のCEOたちがもっとも意識しているのがテクノロジーということでした。今後3年から5年の間に自社のビジネスに大きな影響を与えるだろうと回答しています。
片岡:今回の報告書は、「Leading Through Connections(「つながり」による優位性の構築)」と題されました。テクノロジーが繋がりを作る。お客様との繋がり、あるいは社員とマネジメント層との繋がり、社員同士の繋がり。そういった繋がりにテクノロジーがどんどん使われていく時代になる。その意味ではコミュニケーションとITがものすごく接近していく時代になるわけです。経営者としてそれを武器にしないというのはないな、と思います。
浦山:どうもありがとうございます。
*1「Global CEO Study」
IBMが世界64カ国、1700人のCEOに直接インタビューし、その時々の事業課題や経営課題についてまとめた報告書。2004年から2年に1回実施している。今回の調査では、最重要課題の1つとして、データ・情報の氾濫への対応があげられた。