
これは習慣化に関して以前に紹介した記事の続きです。
辞書によると習慣とは、「ほぼ無意識的に行われるようになるまで繰り返すことにより、後天的に身につけた行動パターン」のことだそうです。
人間の思考は、無意識的・直感的にすばやく反応する部分と、意識的・論理的思考を行う部分からできています。何か集中力を必要とする仕事をしているときのことを考えてもわかるように、意識的思考は多くのエネルギーを必要とし、すぐに消耗してしまいます。
習慣化は、このような意識的思考を自動的に行えるようにすることで、意識的努力を減らし、エネルギー効率を高めるために人間が備えている仕組みです。はじめは意識的に行っていたことでも、次第にあまり考えなくてもできるようになっていることに気づいた経験は誰にでもあると思います。人間は絶えず学習し、物事を次第に効率的に行えるようにできているのです。
習慣化の方法:
- スクリプトを書く:トリガーに対して行う行動(「Xが起きたらYをする」というパターン)を事前に決めておきます。このパターンを具体的にすればするほど効果があります。このパターンは、実行意図(implementation intentions)と呼ばれています。
- フィードバックの仕組みをつくる:行動の進捗が目に見えるようにする仕組みを考えます。フィットネストラッカーなどがその例です。
- 習慣をモニタリングする:アプリなどのテクノロジーを使ってトリガーを出したり、習慣化の進捗をモニタリングすることができます。
元の記事(ATD Member専用コンテンツ):
https://www.td.org/magazines/td-magazine/habitual-by-design
関連記事:
『習慣形成 その1』
ちなみに、この記事の著者であるJulie Dirksenさんは、数年前に『Design for How People Learn』というインストラクションデザインの本を出版して注目を集めた人です。これは、学習科学に基づくインストラクションデザインを非常にわかりやすく解説した本であり、私が学習に関心を持つきっかけとなった本のひとつです。習慣化について書かれた章もあります。
『Design for How People Learn』:
https://www.amazon.co.jp/Design-People-Learn-Voices-Matter/dp/0134211286
※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。