
LX(ラーナーエクスペリエンス)は、ソフトウェア開発の世界におけるUX(ユーザーエクスペリエンス)に相当します。UXと同様、最近では、インストラクションデザインの世界でも、ユーザー(つまり学習者)のニーズに合わせて学習体験を最適化する方法が求められるようになっているのです。今日は、このLX(learner experience, 学習者体験)への関心の高まりに関する記事を紹介します。
オンライン学習が一般化したため、最近では学習に関する豊富なデータに基づいて学習パターンを解析できるようになっています。その結果、学習者体験デザイン(Learner Experience Design)という新たな分野が成長しています。
従来のインストラクションデザイナーは、LMSなど限られたツールを使ってコンテンツを伝えることを専門としていました。これに対し、LXデザイナーは、デザイン思考の原則に基づいてカリキュラムを開発し、最新のテクノロジーを使ってコンテンツをカスタマイズできるようにします。LXデザイナーには、LMSだけでなく、グラフィックデザイン、マルチメディア制作、ソーシャルメディアなどさまざまな領域の知識やスキルが必要とされます。
UXの調査方法やデザイン思考は、学習者体験(ラーナーエクスペリエンス)の捉えづらい部分を明らかにするのに役立ちます。LXデザインは、従来のインストラクションデザインの範囲にとどまらず、実際に学習を行う人たちと共にコースやインタラクションを開発することにより、ユーザーの声を適切に取り入れることを可能にします。
今日成功しているLXデザイナーは、テクノロジーを使ってリアルな体験ができるコンテンツを提供し、学習者同士のつながりを促進しています。また、アダプティブラーニングツールを使って、学習者が自分で自分の学習をコントロールできる範囲を広げ、関与意識を高めています。
学習のデジタル化が進んだため、どのコースをどのくらい時間をかけて学んだかなど、学習者に関する新たなデータが得られるようになっています。LXデザイナーは、学習体験を提供するにあたり、このようなデータを分析し、情報に基づく選択ができるようになっています。
データやラーニングテクノロジーの発展に伴い、学習の仕事は次第に複雑になっていくように思います。
元の記事:
関連記事:
※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。