
学習スタイルとは、視覚優位、聴覚優位など、人にはそれぞれ得意な学習方法があるので、それに適した教え方を用意する必要があるという考え方です。
しかし、ある専門誌に発表された最新の研究では、
「学習スタイルと学習適性の間には、統計的に意味のある関係がない」
ことが明らかにされており、この他にも同様の結論を出している研究が複数あるそうです。確かに、英語の文献を読んでいると、「学習スタイルに従った教え方はやめるべきだ」という記述を多数目にします。
誰にでも、学ぶときの好みの方法があることは確かですが、その方法を使うことによって、必ずしも学習効果が高まるわけではありません。学習者に好みの学習方法を尋ねれば、たとえば「自分は視覚的な方法で学ぶことを好む」と答えるかもしれませんが、その場合であっても、実際には他の方法(たとえば聴覚)でも適切に学ぶことができるのです。
日本では「学習スタイル」の考え方はそれほど広まっていないようですが、一部の国ではかなり普及しており、誤りであることが判明してからも依然として行われている場合があるそうです。この理論は、以前は正しいと考えられていたので、そのための製品が多数出回っており、やめるにやめられない事情のある人たちがいるのでしょう。
学習に関して広まっている誤った考え方についての記事:
『「脳に基づく(brain-based …)」学習は、事実というより虚構である』
元の記事:
https://www.td.org/insights/eradicating-the-learning-styles-myth
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