
最近では、インストラクションデザインにも心理学の成果が取り入れられるようになっています。今日はこのことに関するTD Magazineの記事を紹介します。
タレント開発の仕事の目的は、従業員に職場で新たな行動様式を身につけさせることなので、心理学の原則は、その目的の達成に役立ちます。ここでは、行動経済学の重要な理論から、成人学習に適用できるものを紹介します。
利用可能性ヒューリスティック(availability heuristic)
人間は、何かについて判断するときに、それを正確に判断するための情報を集めるのではなく、自分にとって利用しやすい(思い出しやすい)情報に基づいて判断してしまいます。そしてその結果、誤った判断をしてしまうことがあります。
タレント開発の場面では、たとえば、学習者が特定のタスクで失敗する様子をみたインストラクターは、その失敗の程度がひどい程そのことをよく覚えているので、その結果、以降もそのタスクを重視し、必要以上に時間をかけてしまう場合があります。
つまり、利用可能性ヒューリスティックというバイアスに陥った結果、あまり重要でないことに時間をかけすぎてしまうのです。
これを避けるには、インストラクターにバイアスについて教え、トレーニングニーズを示す客観的なデータが必要とされます。
元の記事:
https://www.td.org/magazines/td-magazine/instructional-design-gone-psycho
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