
これは、科学的根拠に基づく学習方法を普及させるために研究者が運営しているサイト「The Learning Scientist」に掲載されていた記事の紹介です。
睡眠は健康のために欠かせないものですが、人間の認知能力や学習・記憶能力にも大きな影響を与えます。
睡眠が学習を促進することを示すエビデンス
ある大学で行われた実験では、ひとつのグループには午前中に講義を行い、午後にテストを受けさせました。もうひとつのグループには午後に講義を行い、翌日の午前中にテストを受けさせました。すると、後者(つまり睡眠をはさんで翌日にテストを行ったグループ)の方が、前者よりもテストの点数が高くなりました。
このテストは、2種類あり、ひとつは講義内容を確認するテスト、もうひとつは応用問題です。テストの結果、睡眠をはさんだグループはそうでないグループに比べ、講義内容のテストでは8パーセント点数が高く、応用問題では32パーセントも点数が高くなりました。
つまり、眠ることによって、単により多くの情報を記憶にとどめられるだけでなく、その情報を理解して適用する能力も高まったのです。
睡眠が学習を促進する理由
睡眠中の脳は非常に活発に活動しており、目覚めているときに学んだ情報が再生され、それによって記憶が統合(記憶が長期記憶に格納される)されます。だから睡眠不足だと、記憶のために重要な統合を行う時間が不足することになります。
よい睡眠のためのアドバイス
- 一般的に、大人の場合は5~9時間の睡眠が必要です。
- ベッドは睡眠だけのために使います。ベッドを他の用途にも使うと、その場所でリラックスできなくなります。
- 遅い時間にカフェインをとらないようにします。
- 毎日決まった時間に睡眠をとるようにします。
元の記事:
https://www.learningscientists.org/blog/2016/7/14-1
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