
パフォーマンスのためのデザイン
企業のL&D(学習・人材開発)部門は、社内に何か問題があると、それを研修コースによって解決するよう依頼されます。しかし、必ずしも研修が問題解決につながるとは限らないので、業務のパフォーマンスにとって、何が必要かをまず考える必要があります。今日は、この仕事のパフォーマンス向上のために、学習や職場環境をデザインすることに関するClark Quinnさんの記事を紹介します。
パフォーマンスコンサルティング
仕事のパフォーマンスの問題にはさまざまな原因があるので、その根本原因をまず明らかにすることが、効果的なソリューションを考える上で重要です。これにはまず、パフォーマンスギャップを明らかにし、さらにその理由を解明し、ソリューションによって目的が達成されたことがわかるような測定方法を考えます。
たとえば、新製品の売上が期待通りではない場合、その製品の重要性が営業担当社に伝えられていない、マーケティングが行われていない、それについて説明したり、顧客の抵抗に対処する方法を知らないなど、さまざまな理由が考えられます。
パフォーマンスコンサルティングとは、営業担当社が本気になりさえすれば適切な販売行動をとれるのか、適切なリソースやヘルプがあれば販売できるのか、そのために何を学ぶ必要があるのか、といった疑問に答えるプロセスです。
パフォーマンスのためのデザイン
インストラクションによって解決できるのは、問題の一部でしかありません。必要なツールや時間がなければ、適切なパフォーマンスは生じません。モチベーションがなかったり、その重要性を意識していなければ、行動は生じません。適切な人に担当させなければ、うまくいきません。
だから、パフォーマンス向上をはかるには、インセンティブの見直し、パフォーマンスサポート、分散学習、エキスパートによる支援など、研修コース以外の介入をデザインすることが重要です。
これには、パフォーマンスを支援するツールを簡単に見つけられるようにリソースを提供するなど、情報アーキテクチャーのスキルが必要です。さらに、リソース自体をデザインするスキルも必要とされます。リソースは、必ずしも一から作る必要はなく、適切なものが見つかれば、キュレーションによってまかないます。ネットワークで答えを見つけられるのであれば、わざわざリソースを提供する必要はありません。
研修コース(学習)のデザイン
本当に研修コースが必要であるとなれば、それを適切にデザインします。これには、学習科学について知り、それをソリューションに適用します。流行や神話に惑わされてはなりません。
学習デザインでは、適切な学習目標を設定し、適切なやり方、練習をデザインします。練習は以下のようにデザインします。
- 十分な量の練習を行う(時間をあけ、さまざまなことを意識的に行う)。
- モデルや適用例を示す。
- 認知だけでなく感情も考慮する。
元の記事:
https://learningsolutionsmag.com/articles/quinnsights-design-for-performance
Clark Quinn氏による他の記事:
https://www.ipii.co.jp/archives/tag_blog/clark-quinn/
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