
動画は人を引きつけます。しかし研究によると、動画は必ずしも学習効果を高めません。今日はこの点について解説した記事を紹介します。
学習にアニメーションを使う理由
教育心理学者のRichard Lowe (2004)によると、教育にアニメーションを使う目的は主に2つあります。
- 情意的目的
人は動いているものに注目する性質があるので、アニメーションは、注意を引きつけます。アニメーションは、そのめずらしさゆえに、モチベーションを高める場合もあります。面白くできていれば、プラスの効果があります。
- 認知的目的
アニメーションは、動的なプロセスを説明する、裸眼では見えないことを視覚化する、抽象的概念を具体化するなど、静止画よりも多くの情報を伝えることができるので、適切に使えば学習を促進することができます。
アニメーションの問題点
- 学んだという思い込み
人は静止画よりアニメーションを好みます。実際には学習できていなくても、アニメーションを見ることで満足し、学習したという思い込みに陥る可能性があります。
- 作業記憶に過度の負荷がかかる
動きのある画像は静止画よりも情報量が多いので、作業記憶に過度の負荷がかかる可能性があります。
- 学習者の理解よりも速いペースで進んでしまう
アニメーションが自動的に進んでしまうと、学習者の理解が追いついかない可能性があります。アニメーションを効果的に使うには、学習者が自分でペースをコントロールし、内容を記憶する余裕を持つことができるようにします。
- 注意の分断
テキストを読みつつアニメーションを見るようになっていると、注意が分断され学習が妨げられます。このような場合は、テキストではなく音声をかぶせます。
- 注目するポイントがわからない
アニメーションにはさまざまな情報があるので、どの部分に注目すればいいか学習者がわからない場合があります。このような場合は、重要な部分を示す印を使います。
元の記事:
https://www.td.org/insights/how-to-use-animations-for-learning
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