
範例(worked example)とは、何かのやり方や問題解決などの手順を模範として示したものであり、数学の問題の解き方などがその代表例です。範例は、学習に伴う認知負荷を軽減し、学習効果を高めるといわれています。今日は、この範例を作る方法についての記事を紹介します。
複雑なタスクをはじめて学ぶときに、自分でそのやり方を推測・発見しなければならないと、学習者の負担が大きすぎて適切に学ぶことができない場合があります。範例を使えば、そのような認知負荷が軽減されて理解が促進され、学習者の自信を高め、学んだことを新たな状況に適用できる可能性が高まります。
この範例を作るには、そのタスクを適切に行える人(エキスパート)の思考を分析する必要があります。学習者は、範例を見ることにより、エキスパートの考え方、やり方を理解することができます。範例を作るときの典型的な手順を以下に示します。
- 範例を使うことが、自分の学習ニーズに適しているかを判断する
範例が適しているのは、手順を追って複雑なタスクや問題解決を行う方法を学ぶ場合です。
- 手順を構成する
これには、範例を使って解決する問題を明確にした上で、そのための手順を考えます。
- 学習者の認知不可を軽減する方法を使う
できるだけ、見ただけでわかるような簡潔な範例を作ります。見出しなどを使ってステップを分け、シンプルでわかりやすい言葉を使います。
- 学習者が理解できたかチェックする
これには、よくわからなかった部分を学習者に書いてもらったり、読んで理解した内容を学習者自身の言葉で表現させます(これは、学習の方法としても非常に有効です)。
- 適用のための練習を行う
範例を読んで学んだら、それを実際に適用するための練習を行います。
元の記事:
https://www.td.org/insights/science-of-learning-101-writing-worked-examples
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