
以前の記事にもあったように、人間の合理的思考は、感情の助けなしにうまく機能しません。今日は、感情と学習の関係についてまた別の記事を紹介します。
大脳辺縁系は感情に関与
神経科学の世界では、人間の脳が、進化の過程を通じて発達した複数の部分で構成されていることが知られています。脳の最も古い部分は、大脳辺縁系と呼ばれ、呼吸などの自律的機能を制御し、外界に対する人間の反応に関与しているのです。
かつては、前頭前皮質が合理的思考、大脳辺縁系が感情をつかさどり、相対するものだと考えられていましたが、現在では、脳のこの2つの部分が相互に作用し合って機能していることがわかっています。
感情は学習にとって重要
研究では、感情と合理的思考は相反するものではなく、合理的思考にとって感情的反応が重要であることが明らかになっています。
脳は、さまざまな情報について自分がどのように感じるかに基づいて、それらを関連付けます。だから、情報に感情というタグが付いていなければ、それを思い出したり、新たな状況に適用することができません。感情がなければ、学習も生じません。
つまり、学ぶべき情報と感情との関連を意図的に作り出せば、学習効果を高めることができます。
学習に感情を取り入れる方法
- どのような感情的反応を学習者に引き起こそうとしているのかを明確にする。
- 教える内容に関連する感情的出来事を学習者に思い出させる。
- メッセージを物語にして伝える。
- 失敗するような状況を学習に組み入れる。
- 学習時に感情を意識する方法を学習者に教える。
元の記事:
https://www.td.org/insights/all-learning-is-emotional
関連記事:
『感情に訴えかける学習(アフェクティブラーニング)とAI(合理的思考にも感情が必要)』
『感情と学習:その3(感情を考慮した学習デザインのための10の方法)』
※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。