
一般的には、オンライン研修には、対面式研修とはまた別の要素が必要とされるので、オンライン用に一からコンテンツを開発する必要があると言われています。しかし、新型コロナ対応のためなど、オンライン研修が緊急に必要とされる場合もあります。今日は、このような場合に、教室型研修をオンライン形式に変換する方法について、ATDのサイトに掲載されていた記事を紹介します。
対面式トレーニングをオンライン化するには
新型コロナ対応のため対面式トレーニング用コンテンツをオンライン化する必要に迫られている人にとっては大変なことですが、一方で、これはトレーニングに関して画期的なアイデアを出すための絶好のチャンスであるとも言えます。ここでは、このような場合に役立つヒントを2つ紹介します。
ヒント1:対面式トレーニングを全く新しく作り直そうとしない
対面式トレーニングをオンライン化するときにトレーニングのプロフェッショナルが陥りがちな誤りは、それを100パーセント新しく作り直そうとしてしまうことです。
対面式トレーニングは、全員が同じ部屋にいる状況を想定してデザインされています。同じ部屋にいれば、参加者とのやり取りが簡単であり、積極的に参加しているか、困難を感じているなどがひと目でわかります。しかしオンラインではそうはいかないので以下のようにします。
- 理解を確認する機会を増やす:チャットや顔文字などオンラインツールの機能を使って理解度を示してくれるよう、参加者に頼みます。
- 参加者全体と具体的かつ定期的にやり取りする
- 小グループでのアクティビティやディスカッションを行う必要があるときには、ブレイクアウトルームを使う
- 少人数であれば、Webカメラをオンにする(参加者も)
- ファシリテーターをもうひとり用意し、技術的な問題が生じたときに対応してもらう
- トレーニングを短い単位に区切る(長時間連続して講義しない)
- セッションを録画し、後で再生できるようにする
ヒント2:ブレンド型にする
対面式トレーニングのすべての要素をライブのオンライン研修に変換するには、時間も能力もないという場合には、ブレンド型のアプローチをとります。ブレンド型学習の利点は、学習目標ごとにモジュール化し、それらを組み合わせることによって、一つの大きな学習体験を構成できるところです。学習者にとっては、組み合わせ方による選択肢が増えます。これには、以下のようにします。
- インターネットや社内から、出来合いのコンテンツを見つける
- 必要に応じてすぐに参照できるパフォーマンスサポートやジョブエイドを作る
- 短いハウツービデオやマイクロラーニングコースを作り、LMS上に公開する
- 学習者がQ&Aを行うためのディスカッションボード、Slackチャネルなどを作る
オンライン化は大変ですが、それに取り組むことを通じて、これまで考えてみなかったような、新たなソリューションを思いつくかもしれません。
アメリカのATD(Association for Talent Development)のサイトには、オンライン研修(バーチャルトレーニング)に関連するさまざまなリソースが公開されています(https://www.td.org/virtual-training)。
元の記事:
https://www.td.org/ask-a-trainer/ask-a-trainer-converting-in-person-training-for-virtual-delivery
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