
今日は、最近(2020年6月)ATDから出版された『Design Thinking for Training and Development: Creating Learning Journeys that Get Results』の共著者の一人である、Sharon Boller氏による記事を紹介します。
従来の学習体験デザインには、学習者にとって価値ある体験の妨げとなる、以下の3つの問題があります。
- デザインプロセスに、学習者の視点が欠けている。
- 学習は単なるイベントやコースだと考えらており、行動変容に必要とされることに注目していない。
- 学習によって解決すべき問題が明確に定義されておらず、学習の結果が測定されていない。
デザイン思考は、デザインの方法論というより問題解決の方法論です。デザイン思考は、5つのステップ(共感、問題定義、アイデア創出、プロトタイプ作成、テスト)の中での繰り返しであり、上記のように適切に定義されていない問題に対処するソリューションを作るときに役立ちます。
デザイン思考から得られた、学習デザインのための4つの原則
原則1: 学習は、単なる一時的なイベントではなく、一連の行程(ラーニングジャーニー)である。
学習は、一回限りで終わるイベントではなく、学習者がその必要性に気づき、実際に学習し、それを繰り返し学び、振り返りを行い、時間をかけてその定着をはかる一連のステップ(ラーニングジャーニー)です。学習の専門家の仕事は、このジャーニーの各ステップについて学習体験をデザインすることです。
原則2: 全体像を捉える。
学習をデザインするときには、学習によって解決すべきビジネス上の課題と成功基準を明らかにし、学習者を知り、学習が必要とされる職場の状況を理解します。
原則3: ビジネスニーズ、学習者にとっての価値、環境的制約という3つの要素を解決する方法をみつける。
ソリューションを考えるときには、学習者自身にも参加してもらい、アイデア出しをします。共感マップやパフォーマンスカンバスなどのデザイン思考のツールは、学習者を分析するためのよい手段となります。
原則4: プロトタイプを作ってテストする。
全体を完成させる前に、早期にプロトタイプを作ってテストします。このようにすれば、時間や費用が無駄になりません。
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