
テクノロジーの発達に伴い、さまざまな仕事が自動化され、テクノロジーにとって代わられつつあります。今日は、このような状況の中で仕事をしていく上で必要とされるスキルについて解説した記事を紹介します。
テクノロジーは、単純作業だけでなく、次第に複雑な認知タスクも行えるようになっています。しかもテクノロジーは、人間のような誤りやバイアスなしに、人間よりも速く処理を行うことができるのです。
このように自動化可能なスキルに共通しているのは、明示的な知識に依存している、つまり、書き出したり、ルーチン化することのできるプロセスであることです。
一方、暗黙知、つまり、書き出したり、他の人に伝えることが難しいタイプの知識は簡単に自動化することができません。たとえば、人の心を理解することは、この部類に属します。
Oxford UniversityのCarl Benedikt FreyおよびMichael A. Osborne は、複雑な思考、創造性、社会的知性が必要とされるかどうかに基づき、どのような仕事がコンピューター化される可能性があるかを分析しました。
最も自動化される可能性が低いトップ5:
- レクリエーション療法士
- 機械工、設置工、修理工の現場監督
- 緊急管理ディレクター
- メンタルヘルス、薬物乱用のソーシャルワーカー
- 聴覚学者
これらの仕事には、変化する状況に対応したり、変化する人間の必要性に対応したり、問題を認識したり、人間の微妙なコミュニケーションを創造的に行う能力などが必要とされます。
最も自動化される可能性が高いトップ5:
- 保険引受人
- 数学技師
- 裁縫師(手縫い)
- 資格審査業務
- テレマーケター
HRやトレーニング分野の仕事の場合:
- 人事マネージャー
- トレーニング・人材開発マネージャー
- 産業心理学者
- トレーニング・人材開発の専門家
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- 他のすべての人事、トレーニング、労務関連の専門家
- 給与、福利厚生、職務分析の専門家
- 人事関連のアシスタント(給与支払、時間管理を除く)
1980年以来、雇用や給与が増えているのは、ナレッジワークと呼ばれる高い認知スキル(数学)と社会スキルを必要とする職業です。また、認知スキルだけでは高い給与を得られないことも示されています。
社会スキルが高い人は、自分の専門に特化し(だからあらゆる分野のことを知る必要がない)、チームで知識や作業を交換し合い、より効率的に行動することができます。研究では、このようなスキルを備えた人が効果的にコミュニケーションやコラボレーションを行うことによって、生産効率が向上することが示されています。つまり、高い社会スキルによって、仕事や協調のためのコストが減少するのです。
給与が高く、自動化が難しい仕事には、認知的スキルと社会的スキルの両方が必要とされます。人間が機械よりも得意なのは、チームワーク、柔軟性、協調が必要とされる仕事であり、このことは今後も変わらないでしょう。
元の記事:
https://www.td.org/insights/can-computers-do-human
この記事で引用されている研究:
『THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?』:http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
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