
今日は、学習に関するビジュアルデザインの専門家であるConnie Malamedさんによる視覚的明晰性についての解説を紹介します。
処理の流暢性とは、情報の処理しやすさのことです。大抵の人は、複雑すぎたり、わかりにくい図やテキストには抵抗を感じ、取り組むだけの価値がないと考えてしまいます。
研究によると、情報の処理のしやすさは、人の判断や意思決定に影響を与えます。つまり、視覚的要素や言い回しがわかりやすく、処理しやすい場合には、それに対して肯定的な感情をいだき、受け入れやすくなります。
たとえば私たちは、テキストのフォントが見やすいだけで、その内容が簡単だと考える傾向にあります。ある実験では、新しい体操のやり方を、見やすいフォントと読みづらいフォントの両方で書き、それぞれ別の被験者に見せたところ、読みづらいフォントで欠かれたものを読んだ人は、そこにある体操が難しく、時間がかかると感じたそうです。
偶然の要因が感情に影響する
フォントのように、認知とは異なる偶然の要因が、それを見る人の感情に影響を与えます。人は、それが難しそうか、簡単そうかということは意識しますが、なぜそう感じるのかを意識することはありません。
見やすいもの、わかりやすいものは真実だと考える
また別の研究によると、色使いが見やすい文章を読んだ人は、見づらい文章を読んだ人よりも、その内容が本当であると考える可能性が高くなりました。情報の信憑性を判断する手段として、内容以外の部分も影響しているのです。
このことを学習に活用するには?
このように、効果的な学習体験を作るには、見やすさ、読みやすさが重要です。
- 人は、特異な例よりも、ステレオタイプ的で、馴染みのある刺激を好む。
- なじみのあるものは、受け入れやすい。
- 対称性(特に垂直方向の)のあるものは、非対称なものより受け入れやすい。
- 図と背景のコントラストを高めると、画像が鮮明になり、テキストが読みやすくなる。
- 視覚的にわかりやすいものは、受け入れやすい。
- 情報が多すぎるより、少ない方が望ましい。
元の記事:
http://theelearningcoach.com/learning/visual-clarity-and-learning/
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