
以前にも学習には適度な困難が必要であるという記事を紹介しました(Robert Bjorkは、このことを「望ましい困難(desirable difficulties)」と表現しました。)。今日は、これに関する別の記事を紹介します。
学習者は大抵の場合、単にテキストを読み返すなど、安易な学習方法を好みます。しかし研究によると、学習者が好む方法と、知識の保持や適用に適した方法は異なります。学習には、「望ましい困難(desirable difficulties)」が必要です。
望ましい困難さがあることによって、表面的ではない深い学習が促されます。深い学習には心的努力が必要です。これには、以下のような要素が必要です。
- 学習者がすでに知っていることに学習内容を関連付ける。
- 学習内容の重要な部分を自分の言葉で表現する。
- 実際の場合と同じ方法で、学んだ知識やスキルを適用する。
望ましい困難とは、短期的な記憶ではなく、学習内容の長期的な記憶と適用を促進するための努力を必要とするような学習アクティビティのことです。これには、以下のような方法があります。
- 時間をかけて一度に学習するのではなく、時間をおいて学習する。
- テストを使って想起練習(思い出す練習)をする。
- 実際の状況を模したさまざまな状況で練習する。
- 重要な概念を自分の言葉で言ったり、コンテンツの一部を自分で修正したり作ったりする。
トレーナーやインストラクションデザイナーなど学習を提供する側にとっても、深い学習よりも表面的な学習の方が簡単にデザインでき、学習者への負担が少なく、より多くのコンテンツをカバーすることができます。しかしそれでは長期的な記憶や適用は損なわれるので、最終的には高くつくことになります。
元の記事:
https://www.td.org/insights/what-do-you-know-should-learning-be-easy-and-fun
https://www.td.org/insights/science-of-learning-101-why-learning-should-be-hard
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『望ましい困難(desirable difficulties)』
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