
誰にでも、認知バイアスと呼ばれる思考の偏りがあり、これが正しい判断の妨げとなる場合があります(以前の記事を参照)。今日は、逆にこの認知バイアスを学習に利用する方法についての記事を紹介します。
ある研究によると、人の脳は1日あたり平均34ギガバイトの情報を取り入れています。これほど大量の情報に囲まれているにもかかわらず、私たちが日々の判断をすばやく行うことができるのは、それまでの経験から得られた「経験則(ヒューリスティクス)」と呼ばれるショートカットを使っているからです。
この経験則は必ずしも正しいものではありません。そこには偏り(認知バイアス)があり、正しい判断を妨げる場合があります。その一方、このような思考の偏りを学習に活用するともできます。
コンテキスト効果(context effect)
これは、その情報を学んだときと同じ状況(コンテキスト)に置かれると、その情報をよりよく思い出すことができることを意味します。だから、学習するときには、可能な限り、その知識を実際に適用する場所で行うようにします。
自己奉仕バイアス(self-serving bias)
これは、何かがうまくいったときには自分自身にその要因があり、そうでないときは他の要因のせいにする傾向のことです。うまくできていることを学習者に伝えれば、学習意欲を高めることができます。
画像優位性効果(picture superiority effect)
絵や画像は、言葉だけで伝える場合よりも記憶に残ります。
研究では現在、188もの認知バイアスが確認されています。このようなバイアスの影響を知り、学習に活用したり、その悪影響を考慮すれば、効果的な学習体験を作りだすことができます。
元の記事:
https://www.td.org/insights/3-ways-to-use-cognitive-biases-to-boost-learning-and-retention
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