
「The Learning Scientist」というサイトでは、学習科学の研究者たちが、科学的根拠に基づく学習方法を普及させるために、一般人や先生向けに情報を提供しています(これまでにも、効果的な学習方法についての一連の記事を紹介しています)。今日は、このサイトに掲載されていた「科学的といわれる情報全般の信憑性を判断する方法」についての記事を紹介します。
その学習方法が以下のようである場合には、科学的根拠のある方法である可能性が高いといえます。
- 示されている方法の数が少ない
人間は一度に多数の情報に注意を払うことはできないので、科学者であればあまり多くの項目があるリストを作らないはずです。また実際には、学習科学で具体的に推奨できる学習方法の数はそれほど多くありません。
- 「脳がどのように学ぶか(how your brain learns)」、特に「脳に基づく(brain-based)」とか「脳にやさしい(brain-friendly)」学習方法という表現が使われていない
学習科学の研究者は、すべての学習が「脳」で行われることを知っているので、「脳に基づく学習」といった表現はしないはずです。
- 本物の科学者(つまり学習科学の研究者)が書いたものである
これは、学習科学の研究者によって書かれた学習方法が、メディアによってゆがめられてしまう可能性があるからです。
- 「うまくいくことが証明されている(proven to work)」、「科学的に証明されている(proven by science)」という表現が使われていない
「証明された(proven)」という言葉は、科学の世界ではタブーです。科学者は、何かを証明するのではなく、反証したり、特定の考えに一致するエビデンスを見つけることができるだけです(この記事を参照)。
- 「学習スタイル」に関する言及がない
学習スタイル(視覚優位、聴覚優位など、人にはそれぞれ得意な学習方法があるので、それに適した教え方を用意する必要があるという考え方)を示すエビデンスはありません。
- 「誰もが異なる方法で学ぶ」といった決まり文句が使われていない
- その学習方法を裏付ける科学的研究へのリンクが示されている
ということで科学者が書いたものしか信用できないそうなので、正しくは下記のオリジナルの記事をご参照ください。
元の記事:
https://www.learningscientists.org/blog/2016/5/26-1
関連記事:
『「脳に基づく(brain-based …)」学習は、事実というより虚構である』
『ブレインルール: 人がどのように学ぶか(how we learn)について科学が教えてくれること』
The Learning Scientistによる効果的な学習方法の記事
※このサイトに掲載されている一連の記事は、オリジナルの記事の全体または一部の概要を紹介するものです。正確なところはオリジナルの記事をご参照ください。