
トレーニングが終了すると受講者にアンケート(スマイルシート)を記入してもらい、トレーニングの効果を判断する方法は、広く行われています。しかし研究によると、学習者による評価が高かったからといって、必ずしもそのトレーニングの効果が高いとは限らないそうです。今日紹介する記事では、このスマイルシートを効果的に使う方法が提案されています。
スマイルシートに関する研究(メタ分析)によると、スマイルシートは事実上、学習結果に関連しないとのことです。しかし、学習科学に基づいてスマイルシートの質問を適切にデザインし直せば、もっと効果を高めることができます。
研究によれば、学習者は、自分が適切に学習できたかどうかの判断を正しく行うことができません。だから、どの程度学習できたかを学習者自身に尋ねても、正しい情報を得ることはできません。
だから、スマイルシートで行う質問は、以下のような点を確認できるようなものである必要がありまます。また、学習直後に質問するのではなく、1ヶ月など時間をおいてから質問すると、理解や適用を本当の意味で確認することができます。
- トレーニングで学んだことを実際に職場で適用できる能力
- 学習内容の完全な理解
- 学んだことを思い出すことができる能力
- 学んだことを実際の職場で適用したいと思うモチベーションの程度
- トレーニング後にも、学んだことを実際の職場で適用することに役立つようなリソース
科学的研究では、現在使われているタイプのスマイルシートには効果がないことが明らかになっています。現在のスマイルシートは、フィードバックの手段として有効ではありませんが、もっとよいスマイルシートを作ることは可能です。もちろん、スマイルシートだけでは、必要とされる情報すべてを得ることはできないので、実際に効果測定を行うことも重要です。
学習に関して広まっている誤った考え方についての記事:
『学習スタイルの神話(learning style myth)』
『「脳に基づく(brain-based …)」学習は、事実というより虚構である』
元の記事:
https://www.td.org/insights/are-smile-sheets-supported-by-research
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