
何かに関する知識やスキルをほとんど持っていない人(初心者)のメンタル構造は、エキスパートのそれとは大きく異なります。だから初心者とエキスパートでは、インストラクションの方法も変える必要があります。今日紹介する記事では、この初心者のメンタル構造がどのようであるかが解説されています。
初心者の知識のネットワークは限られている
特定の分野について限られた知識しかない場合、断片的な情報やメンタルイメージがあるだけで、統一性のある知識のネットワークが構成されていません。たとえば、プロジェクト管理の初心者であっても、大抵の人は何らかの計画を立てたことがあるので、それがプロジェクトのスケジュールを決めることであるというイメージは持っています。しかし、まだプロジェクト管理のエキスパートのように行動することはできません。
初心者は効果的に識別することができない
初心者には限られた知識しかないので、必ずしも重要な情報を捉えたり、区別することができません。たとえば、放射線のエキスパートであれば、レントゲン写真を見て組織の正常/異常、微妙な違いを区別することができますが、一般人がこの写真をみても「ただの骨」が見えるだけで異常を見分けることはできません。
適切に情報を思い出す(想起する)ことができない
情報は、想起キューをきっかけとして思い出されますが、初心者の頭の中には、整理された適切な知識のネットワークができていないので、想起キューによって情報を思い出すことができません。情報を思い出すことができない理由のひとつは、想起キューから必要な情報に至るメンタルパスができていないことにあります。
メンタルモデル
メンタルモデルとは、何かが機能する方法について一般化された概念のことです。これには、状況、システム、出来事などがあります。初心者のメンタルモデルは、不完全だったり、不正確だったりしますが、経験を重ねるうちに、次第に正確なメンタルモデルが形成されます。たとえば、はじめてコピー機を使う場合、それに関する不確かなメンタルモデルしかありません。しかし、実際に使ってみるうちに正確なメンタルモデルが形成されていきます。
元の記事:
http://theelearningcoach.com/learning/the-novice-brain/
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