
人間には誰しもさまざまな思考の偏り(認知バイアスなどと言われる)があり、それが合理的思考を妨げています。職場の学習をデザイン・提供するときにも、このような思考の偏りが影響します。今日紹介する記事には、人間の思考の偏りがタレント開発の仕事にどのように悪影響を与えるかの例が紹介されています。
研究によると、人間が無意識に行っている思考の偏り(バイアス)は、あらゆる意思決定のプロセスに大きな影響を与えています。だからその影響を抑えるには、それがどのようなものであるかをまず知る必要があります。
確証バイアス(confirmation bias)
人は何かを判断するとき、自分の考えや信念に合う情報ばかり集めて自分の都合のいいように解釈し、それに反する情報はあまり注目しない傾向にあります。
大抵のビジネスリーダーは、タレント開発チームと話す前に、自分のソリューションを思い描いています。だから、たとえばXに問題があると考えていればXに関する証拠しか見つけようとしないので、本当は他に原因があってもそれを見逃してしまう可能性があります。
現状維持バイアス(status quo bias)
これは文字通り、現状を心地よく感じそれを維持しようする傾向のことです。現状と異なることは損失と感じられるので、変化が自分にとってよいことであっても、それを避けてしまうような場合に問題となります。
チェンジマネジメントに取り組んだ人であれば、人が現状維持を好むことを知っているはずです。人は過去にうまくいったことに安心感を持つので、タレント開発の場合では、いつも同じ方法に頼ろうとしたり、同じサプライヤーと組むことを好んだりします。
現状維持バイアスを乗り越えることは、リスクのある新たなアプローチを常に採用せよということではありません。そうではなく、現状のやり方が、新たなプロジェクトに適していることを前提としないように注意します。
この記事には他の例もたくさん紹介されています。
元の記事:
https://www.td.org/magazines/td-magazine/tunnel-vision
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