コラム

日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役 片岡久氏
第2回 IBMのバリューとは?

人財育成に関して先進的な取り組みをしている日本IBM人財ソリューション株式会社代表取締役の片岡久氏にお話を伺いました。(インタビュー2012年8月3日、敬称略)
これはその第2回になります。

第2回 IBMのバリューとは?

変化し続けることが「価値」

浦山:IBMさんの社員への教育戦略を教えていただけますか。

片岡:まず一つ目はお客様の成功に貢献をする。二つ目はイノベーション。これを世界中で起こす。三つ目がさまざまな関係における信頼と自己責任。この三つのバリューは全社員がいろいろな話をした中で決めたものです。これを実現できる人材育成が目標となっています。

浦山:社員自身が討議しあいながら決めていったのですか?

片岡:10年くらい前になりますが、いわゆる電話会議で行いました。30数万人だったと思いますが、その人達が参加できるような形で3日間議論をしました。IBMはこの次どういう会社になればいいのだろう、ということを討議しました。会社のあるべき姿、それを実現する自分達っていうのはこうあるべきだといった内容です。それをまずバリューと称して見つめたのです。

浦山:100年もつづいている会社ですから、80年前に決めたバリューをずっと踏襲しているのかと思っていたら違うのですね

片岡:創業者ワトソンが決めた三つのバリューっていうのがあったので、それを時代に合わせて変えようとなったのが10年くらい前です。

浦山:変わり続けなくてはいけないっていうことですね。

片岡:そういうことです。当時新しいことをやろうっていったのはパルミザーナという会長です。彼は、IBMはどういう会社ですか、と聞かれた際に「変化をマネイジする会社です」と応えました。

 常に変わっていくっていうことを私どもは「価値」と呼んでいます。変わっていくためにはまず発明や発見があり、それをいろいろな形で伝えることで、イノベーションになっていく。それが変わるということ。それをマネイジするということ。ちょっと大げさですけれどもそういったことに貢献させていただく企業でありたい。

浦山:ありがとうございました。