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受講者の“最も身近な存在”クラスマネージャーとは
2026.01.28
弊社には、講師とは別に受講者のすぐそばで学びと成長を支える「クラスマネージャー」という専門の役割があります。学習進捗の管理やメンタル面のフォローに加え、講師や人事担当者と連携しながら、研修クラス全体を支える存在です。
今回は、実際に現場でクラスマネージャーを務めるSさんに、日々の業務内容や受講者と向き合ううえで大切にしている姿勢についてお話を伺いました。
クラスに常駐し、研修を支えるクラスマネージャーの役割
ーーまずは、Sさんの現在の役割について教えてください。
現在は、主に新入社員研修の現場で「クラスマネージャー」を務めています。
4〜5か月にわたる研修期間中、技術や知識を教える講師は分野ごとに入れ替わりますが、クラスマネージャーは研修開始から終了まで一貫してクラスに関わります。受講者の状況を継続的に把握しながら、研修が円滑に進むように支援する役割です。
新入社員研修の現場で、特に意識していること
ーー新入社員研修に入る前は、どのような準備をしていますか。
スタート時点で配属先が未定の方も多く、先入観を持ちすぎないよう意識しています。
配属がこれから決まることに不安を感じている方もいれば、すでに決まっている方もいます。一人ひとり置かれている状況が異なるため、研修が進む中での様子を見ながら、理解を深めていきます。
また、これまで多くの受講者に携わってきた経験から「ここでつまずきやすい」と感じるポイントや、事前に整えておくべき環境面のことを整理し、研修に入る前から準備を進めています。
「何がわからないのかがわからない」を解消するために
ーー集合研修で行っている「チェックイン」について、どのような意図で実施しているのか教えてください。
チェックインは、本格的な講義に入る前に、受講者と講師、そして受講者同士が話しやすい状態をつくるための時間だと考えています。難しい技術研修が続く中で、いきなり本題に入るのではなく、少し柔らかい話題を挟むことで、頭や場の緊張をほぐすことが目的です。私は新入社員のみなさんと年齢が近いということもあり、そうした工夫を大切にしています。
話題は日替わりで、前日の振り返りからテーマを取り上げることもあれば、時期に合わせて身近なテーマを取り上げることもあります。初任給が近ければ使い道の話題をしたり、時期的なイベントの話題を取り上げたりすることで、誰もがちょっと気になる話題や、聞きやすく話しやすい、そしてみなさんが笑顔になれるような内容を心がけています。
また、近年の受講者にとって、質問すること自体が大きなハードルになる場面は少なくありません。特に、「何がわかっていないのかを自分で整理できていないために、質問できない」というケースは、これまでにも多く見てきました。
チェックインは、そうした質問や自分から発信するハードルを下げることも狙いです。こちらから声を掛けて確認することもありますが、むしろ受講者に質問してもらい、対話を重ねながら認識のズレを確認していくことで、受講者自身の中で理解が整理されていきます。「質問は学習に必要なプロセスの一つ」ということを繰り返し伝え、安心して声を上げてもらえるよう心理的安全性を高めるように意識しています。
成績と「表情」から見る、日々のフォロー
ーー理解度やコンディションを把握するうえで、日頃どのような点を意識していますか。
会場では、講義の進行を見守りながら、その日実施したテストやこれまでの単元テストの結果、または前日までの日報などをまとめつつ、受講者の様子を日常的に確認し、関係者で共有しているツールに記録を残しています。
例えば、テストの点数が急に下がった方がいれば、「勉強の進め方を少し変えてみましょうか」と声をかけ、一緒に方法を考えます。その際、「ここは多くの先輩も苦戦していたところだから焦らず一緒に乗り越えていこうね」と伝え、大きな不安を感じさせないよう配慮しています。
一方で、安定して高得点を取っている方に対しては、その努力をきちんと見ていることを言葉にして伝えるよう心がけています。成果が見えにくい研修期間だからこそ、適切なタイミングで評価を言葉にすることが重要だと考えます。
とはいえ、成績という数字だけで判断することはありません。表情や雰囲気の変化には、特に注意を払っています。言葉に出さなくても、疲れや戸惑いは表情に表れることが多いためです。オンライン研修の日でも、チャットの反応速度や文面のトーンから、コンディションを感じ取ることができます。そうした小さなサインを見逃さず、必要に応じて個別に声をかけています。
講師と企業をつなぐ「ハブ」としての役割
ーー講師や企業の人事担当者とは、どのように連携しているのでしょうか。
私自身が技術を教える立場ではないからこそ、クラス全体の傾向を客観的に見ることができると感じています。テスト結果だけでなく、日々の表情や雰囲気など、数値には表れにくい部分から見えてくることも少なくありません。
そうした情報をもとに、「Aさんは理解に少し時間がかかるタイプかもしれません」「Bさんは成績は良いのですが、自分から質問するのが苦手です」といった一人ひとりの特徴を、事前に講師へ共有しています。講師側もそれを踏まえて、「今日は意識して声をかけてみよう」といった関わり方ができます。
人事担当者様とも、研修期間中は定期的に情報を共有しています。
研修中の様子から見えてきたその人、その人の得意・不得意や学習スタイルをお伝えすると、「配属後の育成を考える際に参考になった」や「どんなメンターをつけてあげると良いか参考になった」などのお声をいただくことが多いです。
また、同じ新入社員研修でも、企業ごとにクラスの雰囲気は大きく異なります。発言が活発なクラスもあれば、落ち着いた雰囲気のクラスもあります。そのため、接し方も担当するクラスに合わせて調整しています。ビジネスとしての距離感は保ちつつ、言葉遣いを少し柔らかくしたり、逆に引き締めたりしながら、「このクラスにとって一番話しやすい距離感はどこか」を常に考えています。
安心して学び、現場で力を発揮するための土台を整える
ーー最後に、クラスマネージャーとして大切にしていることを教えてください。
「話しかけやすい存在であること」です。
わからないことを抱えたまま、誰にも相談できずに研修を終えてしまうのは、受講者にとっても、研修へ送り出す企業にとっても大きな損失だと思っています。だからこそ、講師には聞きづらいことでも、「クラスマネージャーになら相談してみよう」と思ってもらえる距離感を意識しています。
研修後のアンケートで「話しやすい雰囲気を作ってくれてありがとう」といった声をいただいたときは、とても嬉しく、励みになっています。また、配属後に成長した元受講者が「あのときのクラスにいました!」と声をかけてくれ、その受講者の成長ぶりを実感したとき、この仕事のやりがいを感じます。
新入社員のみなさんが安心して学び、その後の現場で力を発揮するための土台を整えること。それがクラスマネージャーの役割だと考えています。
これからも、一人ひとりの成長を支える存在であり続けたいと思います。