ブログ
【講師インタビュー】インフラ全般を俯瞰する「総合力」で受講者の未来を切り拓く——平野講師
2026.04.08
IPIの講師陣の中でも、システムインフラ全般にわたる深い知識と、受講者一人ひとりに寄り添う指導で高い評価を得ている平野講師。
平野さんの研修へのこだわり、そして受講者への熱い想いを伺いました。

平野講師プロフィール▶︎ https://www.ipii.co.jp/takashi-hirano/
Q. 講師になったきっかけと、この仕事の魅力を教えてください。
就職浪人後、1年以上のフリーター生活を経て、IT分野への関心からITスクールに入ったのが始まりです。当初はMicrosoft Office Trainer(MOT)という、ExcelやWordのインストラクター資格を目指していたのですが、Office系が苦手でなかなか受からなかったんです。
そんな時、スクールの社長から、当時まだ珍しかった個人向けITスクールで、Microsoft Certified Professional(MCP)のインストラクターコースを立ち上げるにあたり、「一緒にやってみないか」と声をかけられました。もともと、インストラクターという職業に憧れがあり、IT×人材育成は今後必要だと感じていたので、喜んでその話に乗りました。当時のスクールの社長は私のロールモデルであり、技術の師匠でした。その人から技術だけでなく仕事への姿勢を学び、この道に進むことを決めました。
その後、同ITスクールにてインストラクターとして約9年間、講師としての経験を積んできました。その後、ITセキュリティ分野を取り扱う企業へ転職し、現場SEの技術サポートに加え、顧客向けの製品トレーニングも担当しました。現場と教育の両面を経験する中で、改めて「技術を教えることを通じて人の成長を支援したい」という想いを強くし、現在はIPIの講師として研修に携わっています。
講師という仕事の魅力は、やはり、求めている人に求めている知識を伝え、それが身になって喜んでもらえるというところにあります。これが私の原点であり、今でも変わらず大切にしている点です。つまり「学びたい人を支援する」という想いですね。
Q. 現在担当している分野と、ご自身の専門性は研修でどう活かされていますか?
主に担当しているのは、SIerの新人向けのIT企業技術研修など、将来SEになる人たちを対象としたインフラ系の研修です。
私の専門性は、特定の分野に特化するというよりも、インフラ全体を広く扱ってきた「総合力」にあると考えています。ITスクール時代からMicrosoftの資格(MCSEなど)だけでなく、CiscoのネットワークやLinux、データベースなど、幅広い技術を教えてきました。IPIに入社後も、Ciscoネットワークから始まり、Microsoft認定コースを担当し、日本で初めて「HP CloudSystem Matrix Solutions」認定資格コースの立ち上げにも携わりました。
この総合力が研修で活きるのは、例えばネットワーク専門の講師だとサーバーの知識が曖昧だったり、その逆だったりすることがある中で、私は全般的に捉えられることです。これにより、研修範囲外の疑問にも対応できるというバリューを提供できます。
私は、特定の分野でトップを目指すというより、総合力で一目を置かれる存在になりたいと思ってきました。これは、かつて技術の師匠などに追いつこうとしたものの、差が縮まらなかった経験から、幅広い知識を身につけようと努力した背景もあります。
Q. 研修を行う上で大切にしている指導スタンスを教えてください。
根底にあるのは、「学びたい人を支援する」という一貫した想いです。
Mission: 学びたい人を支援する
Vision: 求めている人に、求めている知識を伝え、それを身につけてもらい、喜んでもらえること
Value: わかりやすく教えること
これらのMission・Vision・Valueは、これまでのキャリアの中で培われてきたものであり、現在の研修スタイルにも深く根付いています。
特に重要視していることは、受講者が「分からないところも分からない」という段階から、「分かる」状態へと至るまでを丁寧に解きほぐしていくことです。
そのために、まずは受講者との間に信頼関係を築くことが非常に重要だと考えています。信頼感を持ってもらうために、「穏やかに話す」「聞く耳を持つ」「相手の話を傾聴する」ことを常に心がけています。
また、指導スタンスとして、新人研修においては「一人の“大人”として敬意を持って接する」ことを徹底しています。フレンドリーすぎたり、馴れ合いになったりすることを避けるため、「さん」付けや丁寧語を用い、社会人の一員として対等に接するようにしています。
これは、受講者に「声をかけにくい」「相談しにくい」と感じさせないよう配慮しながらも、「頼ってもいい」と思ってもらえる存在でありたいという想いからです。
Q. 研修設計・準備において意識していることはありますか?
研修準備においては、綿密なレッスンプランよりも、タイムスケジュールのマネジメントを重視しています。時間を守れるような進行を心がけ、例えば50話す内容があれば100話す内容を用意するなど、余裕を持った準備をしています。
講義では「喋りすぎない・端折りすぎない」のバランスを意識しています。準備不足だと進行中の“間”が持たなくなるため、教材や講義の流れは常に余裕を持って事前準備を行っています。最近ではAIを活用し、講義用スクリプトの作成など準備業務の効率化にも取り組んでおり、その分、受講者一人ひとりに向き合う時間をより大切にしています。
さらに、IPIの研修ではクラスマネージャー(CM)やサブ講師との連携も重要ですが、私はマネジメントが苦手なため、CMやPMがマネジメントしやすいように動くことを意識しています。マネジメントしてもらうおかげで講師の仕事ができるので、その分、円滑な運営に貢献するよう努めています。
Q. 講師としてのやりがいを感じる瞬間を教えてください。
やはり受講者の方が「分かりました!ありがとうございます」と言って、表情が明るくなった時ですね。悩んで眉間にしわを寄せていたものが、表情が柔らかくなって疑問が解消された時、非常にやりがいを感じます。
この仕事をして良かったと心から思うのは、最初の会社で、私が教えたことで資格を取得し就職できた方から、「平野さんのおかげで就職できました!」と感謝の言葉をもらった時です。今は就職プログラムではないのでそうした直接的な感謝は減りましたが、研修後の受講者からのアンケートでポジティブな内容が書かれていると、やはり嬉しいものです。

Q. 思い出深い研修エピソードや、講師としての成長のきっかけを教えてください。
講師としての姿勢を大きく変えるきっかけとなった出来事は、HPのクラウドシステムマトリックスを担当した際に、年下のHPのSEから厳しい指導を受けたことです。
彼は「平野さん、勉強しなきゃダメですよ」「もっと勉強してください」と、気持ちよく、しかし厳しく私を指導してくれました。今でも、その人の声が脳内にあって、何かあるごとに自分を律する糧にしています。
この経験を通して、私が講師として常に意識するようになったのは、自分自身も前を向いて進み続けること、つまり学びを止めないという姿勢です。
深めるにしても広げるにしても、好奇心を持ち続けることこそが、教える立場の人間として不可欠だと考えています。
Q. 受講者の方々へ、研修を通してどのような未来を届けたいですか?
最近の研修でも、理解に時間がかかってもめげずに頑張っている受講者の方の姿が印象的でした。躓きながらも諦めずに前に進もうとしている受講者を見ると、自分も負けていられない、もっと頑張らなきゃ、と成長への刺激を受けます。
受講者の皆さんには、分野は何でも構わないので、自分の成長を止めないで欲しいと願っています。研修を通して、「できた」「良かった」という笑顔になれる未来を届けたいんです。1歩でも10歩でも、前に進んで顔が明るくなること。それが結果的に、その人自身の成長につながっていくと思っています。
私の座右の銘は、「得意淡然、失意泰然」です。
調子のいい時(得意)は調子に乗らず、落ち込んでいる時(失意)はそれを見せない、というものです。受講者の皆さんにも、この言葉のように、常に安定感を持ち、前に進んでいく姿勢を大切にして欲しいと思っています。