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2019.09.20

職場で自律的学習をサポートする方法

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自律的学習(self-directed learning)は、これからの時代に不可欠であると言われています。今日はこれに関して、学習科学の研究者であるPaul Kirschner氏が解説している記事を紹介します。

 

企業が生産性や競争力を高め、時代遅れにならないようにするには、従業員が絶えず学び、能力を高め、経済・社会・テクノロジーの変化に適合する必要があります。従来のように、企業が正式に提供するトレーニングだけでは、このような状況に対応することはできないので、従業員が自分で学習すること(自律的学習)が求められます。

自律的学習とは?

自律的に学習するには、自分が何を学ぶ必要があり、それをどのように学べばいいか、それを実際に習得できたかを判断する能力が必要とされます。自律的学習スキルをサポートすることが、職業教育などの場面で学習効果を高めることが、研究でも示されています。しかし、学習したことが業績評価に結びつかなければ、従業員は積極的に学ぼうとはしないでしょう。

 

職場で自律的学習をサポートする方法

  1. 組織の目標や必要性を明確に伝える

そして、個々の従業員の学習目標と組織の目標・必要性を一致させます

  1. コラボレーションやチームワークを促す

従業員同士が、積極的に情報やアイデアを共有し、知識・スキルの向上のためにコミュニケーションをとることを促します。

  1. 従業員に権限を与える

仕事に必要とされる情報を与え、従業員自身が、自律的に学習を計画・実施する権限を与えます。

  1. 継続的学習を促す

学習したことに対して報い、組織のさまざまな部分に学んだことを適用するなど、継続的に学習することを組織ぐるみで奨励します。

  1. 関連するテクノロジーを使う

学習のためのデジタルツールを導入し、トレーニングや使用方法に関する情報を提供します。

このように、職場で自律的学習をサポートする方法は多数考えられます。しかし、従業員は必ずしも、自分が正しく学習できたかどうかを判断したり、何を行えば効果的に学習できるかを判断することができません。従業員の自律的学習は難しい問題であり、企業の学習部門がこの点において重要な役割を果たす必要があります。

 

元の記事:

https://www.td.org/insights/how-to-support-self-directed-learning-in-a-learning-organization

 

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